Archive for 6 月, 2006

2006年6月号

木曜日, 6 月 1st, 2006

○月○日
100万人集客した尾道の“男たちの大和の映画セット”の解体が始まる。そして、そのセットの一部を、呉の大和ミュージアムで保存の申し入れを東映に依頼、というニュース。
“うまい、呉市よくやった”と言いたい。どういう展示になるか分からないが、映画“男たちの大和”の出来がよかっただけに、大和ミュージアムとしては、フィクションのエネルギーを大いに頂きたいところだろう。
そこで、一つの提案がある。“男たちの大和”を永久上映するスペースを作ることである。8月にはこの映画のDVDが販売されると聞いた。今、呉市にとって、またとないチャンスが巡ってきているのである。

○月○日
開館一周年、170万人を集客した大和ミュージアムが、呉の町にもたらしたもの、というニュースが相継いでいる。
こういう地域の報道は、どうしても視野が狭くなりがちである。“大和”ブームが呉市や尾道市に観光客を集めたことで、広島市にも多くの観光客が流れてい るのだ。平和資料館も昨年より入場者数が増えている。そして、広島県全体の観光客数も増加した。これはひとえに、“大和”ブームのおかげだと、どうして素 直に言えないのだろう。マスコミは“平和都市広島”をうたっているので、呉の大和ミュージアムは“ある傾向あり”とどうしても色メガネで見ようとする。
要するに、広島だけではなく、マスコミは“大和”ブームなるものを計りかねているのだ。
映画の“男たちの大和”の扱いでも、純粋に映画批評することより、制作サイドの角川春樹→復活→戦争大作→愛国心→アブナイ、という図式が、まず頭にあり、そこから想像力が一歩も出ない論評が多かった。
前にも書いたが、“男たちの大和”は立派な反戦映画である。そして戦争映画にもかかわらず、女性客が多く、その批評もよかったことを、あまりマスコミは 伝えていないのである。映画の中の“大和乗組員”の心情に、女性たちは感動したのだ。そして、現在生きている周りの男たちと映画の男たちとを比べたのであ る!?
悲劇を伝える戦争の映画が、単純に共感を呼んだのだということを知ろうとしない。
だから、この映画を“反戦”ではなく、“愛国”映画と思い込むマスコミの男たちは、いまだに?大和?ブームを誤解しているのである。

○月○日
“奇跡の動物園・旭山動物園物語”―入園者数日本一!!人気動物園を初ドラマ化!!飛べ!ペンギン…廃園危機を乗り越えた夢と情熱の軌跡―、をテレビで観る。新聞のテレビ欄にこんなに長い題を見つけた時も感動(笑)したが、実際にテレビを観ても少し!?感動した。
昨年度の入園者数が200万人を超えて、ついに上野動物園を抜いて日本一の入園者数の動物園になったのが、北海道旭川にある旭山動物園だ。
私は、ちょうど一年前に訪れた。その時の動物園も、人が押し寄せている感じが動物園全体を包んでいた。そして、旭山動物園は見事な動物園だと思ったのである。
旭山動物園の紹介本も北海道だけではなく、あっという間に東京の本屋でも見かけるようになったのは、その後である。
そして、テレビドラマにもなるのである。テレビの中で、動物園の事務室がよく出てきたが、実際もあの通りで、あの雑然とした中で私も話をした。ちょうど パソコンを前にした職員に?呉の大和ミュージアムもたくさん入ってますね?と言われたことを思い出す。北海道の旭川、それも市街地を離れた立地の動物園。 これ程立地の悪い処に、続々と人が集まって来るのである。
このテレビドラマ、ノンフィクションなのだが、表面的に成功物語になっていくのは仕方ないが、動物園自体、現実が非常に良質なので、ドラマも良質に成りおおせたカンジだ。

○月○日
京都の町は相変わらず観光客でいっぱいである。いまや、京都は一年中が旅行シーズンになった、とタクシーの人が話していた。毎年1月中旬から3月中旬まではオフシーズンだったが、この2~3年、オフがなくなったと言う。
京都の魅力は、町の長い歴史が滲み出る風景、それに伴う文化にある。
多様な日本文化が、今でも息づいている町は、日本では京都だけになってしまった。そのことを、京都の地に足をつけた人は、体で感じる。自信のなくなった 日本人が、京都の町の佇まいを見て、日本人の尊厳を取り戻すのかもしれない。老いも若きも京都を目指すのは、日本ここにあり、と実感できるからだろう。
かくいう私も、何かにかこつけては京都に行っている。大きな声では言えないが、日本酒と料理のこの上なく旨い店が京都に多いのは、困ったものだ。いや、別に困ることはないか(笑)。