Archive for 1 月, 2007

2007年1月号

月曜日, 1 月 1st, 2007

新年号の編集後記ほど書きづらいことはない。この文章を書いている12月中旬は、編集締切りに合わせて、最後の仕上げの段階である。ひと月ごとの締切り は、サイクルに慣れてしまえば何とかこなせるものだが、一年の終わりの編集が、新年号となると、一年12回の編集作業の中でもちょいと衿を正すというか、 タウン誌の街への役割というか、新年号だからこそというスタンスを込めたいと、この時とばかり神経を遣うのである。
この時ばかりではなく、毎月気を張っていれば、このような文章を書く必要もないのも事実である。20年もタウン誌を続けている私のこのていたらくは変わらない。ということで、今年最後の文章を無事に書かせてもらっている。
今号の特集「百匹目の猿現象」読んでもらえましたでしょうか。呉の大和ミュージアムが、「大和ブーム」の起点になったことは間違いない。そして、「戦 争」「軍国主義」という負の素材の代表格だった「戦艦大和」のイメージを、大和ミュージアムは現代に生きる人々にアンチテーゼを込めながら、日本民族とい う特質を見つめ直す主役にすえたのだ。それが、時代の底流にうまく乗ったというか、運にも恵まれて大ヒットしたのである。
「国家主義」を批判しながら、実は一番そこに寄り添ってきていたマスコミも、少しだけ気づいたようだ。何でも賛成か反対か、好きか嫌いか、どっち!?と いう「民意」を誘導する物語を作りたがる人たちも、少しだけ冷静になった!?それは多様な視点や想像力を起こさない限り、「答えはどっち!?」では対処で きない一歩も進めない状況が、社会の前面に表れてきているからである。
「大和ブーム」も、マスコミ得意の「右」か「左」かの物語で納めようとした感がある。しかし、「大和ミュージアム」や、映画「男たちの大和」の観客は、 実に冷静で、平和への思いを喚起されたという声が多かった。マスコミは、現代日本人の民度を少々低く見ていたきらいがある。
「戦争は絶対起こしてはならない」という民意だけは、戦後60年日本人が持ち続けていることを素直に信じたい。そして、日本で起きている「大和ブーム」 に続いて、あのクリント・イーストウッドが撮った「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」の映画が全世界で公開され、話題を呼んでいるのである。マス コミはこれらの「戦争映画」と今起きている地球上の戦争との「繋り」を、単にフィクションだから同次元で語れない、とするのだろうか。
「反戦という大和ブーム」を起こした呉の大和ミュージアムは、「百匹目の猿現象」を世界に広げる役割を果たしているのである。
今回の特集では私が尊敬する十人の人たちを紹介した。「百匹目の猿現象」というコトバを覚えてもらえれば、またそこから意識や想像力が広がり、「百番目の椅子」に皆で坐れるかもしれない!?

本年も、月刊くれえばんご愛読、本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。