Archive for 10 月, 2007

2007年10月号

月曜日, 10 月 1st, 2007

○月○日
プロ野球公式戦のカープ対横浜ベイスターズ戦が呉二河球場であった。公式戦はなんと8年振りだそうだ。新装になった球場に詰めかけた観客は、照明に照ら し出されたグランドの高麗芝の美しさと満員の観客に驚いているようだった。人がたくさん集まるイベントは、やはり地方には必要なのだと再認識する。町の中 で人の群れを見ると、何故か安心するのは私だけではないのである。
しかし、試合はカープのいいところなし、一方的な敗戦。ブラウン監督の采配もさえないのだ。大差で負けが分かっている試合なら、呉市出身の中東選手ぐら い出してよ、と言いたい。毎年プロ公式戦開催が一試合といわず、三、四試合ぐらいは可能だという呉地域のことを、カープ球団は知らないようである。また、 広島県出身の優秀な地元選手を必ず入団させることが、観客増につながるのである。それにしても、呉のカープファンはやさしい。こんなにもおもしろくない負 け試合にかかわらず、応援を続けていたファンはオトナだなあ、と思ったのである。

○月○日
呉冷麺のことが、東京版日経新聞夕刊に大きく取り上げられた。呉冷麺の特徴は、平麺と独特なマイルド味のスープと書かれていた。そのとおり。全国広しと いえども、呉冷麺のような冷麺はないのである。東京から呉に訪れる私の客人たちは、口を揃えてこの冷麺を絶賛するのだ。最近は通販でお取り寄せが出来るの で、私を通り越して度々取り寄せている友人も多い。呉冷麺は、何年か前から呉地域だけではなく、広島市にも出店する店も出てきていた。
全国的にも、各地の地元麺が町おこしの貌としてクローズアップされている。呉冷麺はその中に割って入るだけの実力は十分あると思うのだ。どんどん拡げていきたいのだが、まずは全国紙に大きく取り上げられたことが、呉冷麺の全国デビューになったのかもしれないぞ。

○月○日
映画「夕凪の街 桜の国」を観た。こうの史代さんの原作漫画は10万部を超えるベストセラーになっている。映画は、原作に実に忠実に展開する。広島の原 爆投下から10年後の広島から始まる。主人公の喋る広島弁は、地元の私達にとっても無理なく響いて、耳にやわらかい。主人公役の麻生久美子の美しさにもつ いていけた。原作漫画を何回か読んでいるから、結末は分かっているのだが、だからというか、よけいに結末に進む過程で心が揺さぶられるのである。涙が止ま らない。桜の国の物語になり、ほっとしたというか、救われた気がしたものである。
作者のこうの史代さんの物語への姿勢というか、仕掛けは大したもので、ただものではない才能を感じるのだ。そのこうのさんの新作が漫画雑誌に連載されて いる。漫画アクションだ。「この世界の片隅に」という戦中の呉を舞台にした物語である。呉に住む者にとって、これほど興味深い連載はない。呉という特異な 歴史を持つ街を舞台に、フツーの人々の日常の生活を淡々と描いていく。昭和の時代の暮らしを忠実に再現していく。昔の地名や方言がこうのさんの描く漫画の 中に散りばめられて、思わずニンマリしてしまうのである。9月現在、昭和19年9月の呉が描かれているところである。