Archive for 5 月, 2008

2008年5月号

木曜日, 5 月 1st, 2008

○月○日
「後期高齢者医療制度」が4月から、突然降ってわいたように施行された。施行された途端、「後期高齢者」という75歳以上のお年寄りを呼ぶコトバの悪評 にたじろいたのか、ネーミングを「長寿医療制度」に変えた政府である。この「うば捨て改革」を決定したのは御存知小泉内閣の時である。「新臨床医研修制 度」の改悪と今回の制度の根底にあるのは、「格差」が生まれるのは仕方ないじゃないか、庶民や地方は我慢しなさいよ、という厚生労働省官僚のお上意識が 根っこにある。年金危機の渦中にある私たち国民の感覚と官僚や政治家のそれとは、これ程までにズレているのである。
「後期高齢者医療」の話題が花見の席でも大いに盛り上がった。制度のこともあるのだが、一番は「後期高齢者」というコトバ使いのことだった。元々、後期 高齢者という表現は75歳以上を指す学術用語として使っているという厚労省の役人は、それをそのまま使ってしまった!? 呼ばれる方の気持ちを想像だにしないお上の時代感覚、社会感覚に私たちは驚いたのである。
厚労省は、自分たちが支払う年金の方は杜撰なのに、取る方だけはきっちりと年金から天引きで取ろうとしている。
この厚労省に対抗する手立てはこれしかない、と花見で盛り上がった策とは、葬式をしないこと!? 亡くなった時、葬式をしないで、死亡届も出さない。そうしてずうっと年金を貰い続けようという対策だ!?
○月○日
荒金幸子さんが亡くなったという報道を新聞で知り、驚いた。呉共済病院を昨年辞められたことで身体に異変が起きたのかなと心配していたが、医療関係の講 演会に出られていたので様子見をしていたのだが、かえすがえすも残念である。荒金さんは、ガンと戦いながら看護士として、また在宅医療の先端で活躍された 人である。
一昨年荒金さんとお会いした時、“看取り”の話になり、何枚かの絵を見せてくれたのである。死を前にした時、自分が看取られるとしたら、どんな場面、風景の中がいいかというホスピスにいる人たちの絵だった。
一昨年、呉市の高校生が荒金さんの仕事の姿を見ながらインタビューする企画を手伝った時、そのインタビューした高校生が荒金さんの手を握った時の感動した様子に、私もつられて荒金さんの手を握らせてもらったことを思い出す。その手のなんと暖かく柔らかかったことか―。
「広島・ホスピスケアをすすめる会」と共に、療養中の患者や体験者、家族が集う「がんサロン」を開く準備に弄走していた中での悲報だった。
○月○日
東京都荒川区から「あらかわ満点メニュー」という冊子が送られてきた。健康に役立つおいしい外食を目指して、荒川区が町のレストランと協働して作り上げたメニューのレシピが掲載されている。
本誌も現在、「こだわりのヘルシーグルメレストランin呉」の企画を共催して進めている最中である。荒川区は行政の指導に対して、我々呉市は医師、本誌などの民間が企画して進めている。
「あらかわ満点メニュー」は、一食あたりカロリー600~900kcal、塩分4g 以下を目安にしている。そして、平成18年度から2年間で76店舗で81メニューを開発、提供されている。その荒川区に対して、呉市では、カロリーは 400~600kcal、塩分は3g以下、食材はなるべく地産地消で、という企画である。現在13店で提供中で、準備中が9店。
呉市のメニューも「あらかわ満点メニュー」のように、もう少し幅広いB級ヘルシーメニューを増やそうと、各飲食店にアプローチを続けている。荒川区のレ ストランのジャンルは、和食、寿司、そば・うどん、洋食、中華・ラーメン、居酒屋とすべてのジャンルを柔らかくカバーしている!?
呉地域のレストランの料理人さん、私たちと一緒にヘルシーメニューの開発してみませんか、とお願いしている最中である。
○月○日
連日、北京五輪の聖火リレーの抗議行動の報道が流れている。
中国のチベット問題の現実を教えてくれてきた人が呉市出身の中原さんだ。中原さんは、20年以上も前からチベット亡命政府のあるインドのダラム・サラで 建築家として生活をしている。広島でチベット・アート展を開きたいという中原さんと私の共通の想いがあった。そして、何年か前に仏画をダラム・サラの宮廷 仏画師達に描いてもらった。ヒロシマで展示するのだから、仏画師の名前は作家として仏画の中に標してもらった。
その時、「チベット展」にするのだから、ダライ・ラマ14世にもメッセージを貰おうとしたことを、今思い出すのである。中原さんは、当時からインドに亡 命してくる僧侶の現状を世界に知って貰う運動を続けていた。そんなことで、私は中国のチベット民族への断圧の情報を少しだけだが知り得ていたのである。
中国のチベット民族断圧情報は、日本のマスコミでは大きなタブーの一つだと言われている。中国が恐いのである。国威発揚を狙った北京五輪が、共産党一党支配の足元まで揺るがしかねない雲行きだが、ダラム・サラにいる中原さんも嵐の中にいるのだろうか― !?