Archive for 10 月, 2008

2008年10月号

水曜日, 10 月 1st, 2008

○月○日

「呉繁華街大火」と呼ばれた焼跡地でのライブに顔を出す。更地になった会場は意外に広い。ステージには大型トラックの荷台が使われ、町中での音響もうまくおさまっていた。「元気 復活 感謝 焼跡ライブ」の仕掛けは、成功したようである。仕掛人の「シロクマ」の川西さんの貎の明るいことこの上ない。

呉出身の町支寛二さんのユニット〝カンフル罪〟のライブは快調である。カンフルの〝フル〟こと古村敏比古さんは、大の日本酒好き、と昨夜の飲み会で判明した。先日あった〝呉の酒まつり〟のことを話すと、是非私も参加したい、と話にノッてくれるのである。

○月○日

コミック「この世界の片隅に」が文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品に選ばれたと、作者のこうの史代さんから連絡があった。「この世界の片隅に」は既に2冊(上・中刊)の単行本が刊行され、漫画アクションの連載は後3話で終了する。終了した時点で、下巻刊行となる。この物語は、戦中、戦後の呉の街が舞台で、こうのさんの前作「夕凪の街 桜の国」を上回る評判なのである。前にも書いたが、呉の街をこれ程深く見据えた物語はかつてない素晴らしい作品に仕上がりそうだ。コミック「この世界の片隅に」に注目されたし。

○月○日

豊島、大崎下島、岡村島の島民待望の豊島大橋が開通して、本土と陸続きになった。

私も早速橋を渡ったのである。川尻から四つの橋を渡り30分位で大崎下島の大長へ。思ったより時間がかからない。大長、御手洗は、呉市の最西端の町である。大長の町は殆ど変わっていないが、意外や意外、御手洗の町並が変わっていた。町並がキレイに整備されていたのである。観光の〝御手洗〟売り出し中ってところか。平日にもかかわらず、年配のグループ客が御手洗の路地を歩き廻っていた。

20年前に、御手洗の若胡子屋で寄席をやったことを思い出す。寄席の後、芸人さんと一緒に会場の若胡子屋に布団を持ち込んで泊まろうとしたのだが、何とも居心地が悪く、大長の主催者の家に逃げこんだことがあった。若胡子屋は江戸時代のお茶屋跡である。私たちの泊まろうとした部屋は、〝おはぐろ伝説〟の残るこわーい部屋だったのだ!?

そんなことを思い出しながら若胡子屋を訪ねたのだが、改修工事の予定で、現在は閉鎖中だった。

大長に戻り、旧知の山本隆道さんを訪ねる。山本さんとは、20年前に島おこしのイベントをした中である。山本さんは、その後健康を害し、農業をやめざる得なくなり、鍼灸師の道に入った。

久し振りに会う白衣姿の山本さんは、療法士としての貫禄が身についていた。突然訪ねた私に対して、山本さんは、せっかくだから話をしながら身体を看ましょうか、と施術をしてくれる。

私はこういう施術に全く素直なたちで、昔の山本さんも今の山本さんも、見事に繋がっていると思ったのだ。目の前で施術をする山本さんは、昔からの必然の姿を見ている様な気がしてくるのだ。

そして、大長と月何回か広島市で施術を続ける山本さんは、町に出るより、やはりこの島での施術発信を続けたいと言われた。

今年もこの文章が書き納めです。御愛読ありがとうございました。来年はどの世界も厳しい年になりそうです。気を引きしめて、公私ともにあたりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。