Archive for 2 月, 2011

2011年3月号

火曜日, 2 月 22nd, 2011

○月○日
呉シネマが4月末で閉館する。1961年からの営業というから、ちょうど今年で50年ということになる。
呉市は地方都市の中では昔から充実した映画館がある町として知られていた。私も20代の頃、東京で映画の話をする度に、呉の町で観た映画との幸せな出会いを多いに自慢したことを覚えている。呉市は大都市並みの映画を観れる町だったのである。
私が呉シネマで観た映画の思い出は、やはり中学校、高校時代の映画が多い。『サウンド・オブ・ミュージック』『十戒』『卒業』ー。学生だから、小遣いを親にせびらないと行けないので、観れる映画は限られていた。当時の呉シネマは、世界や東京に繋がる入口のようで、何しろ輝いて見えた。だから、東京に出た時の楽しみの一つは映画をたくさん観れることだった。映画館は私にとって別の「大学」だったのである。
今の呉シネマの屋上にはなくなったが、印象深いのは「ナショナル」の広告塔だ。呉湾の中央桟橋に入って行く時に灰ヶ峰と共に呉シネマの上に「ナショナル」の塔が見えた。その度に、あぁ呉の町に戻った、と思ったものである。
そういえば、作家の田中小実昌さんが、月刊誌の『シネマ紀行』という連載の中で、呉シネマを取り上げる為に呉に来られたことがあった。私も案内役で小実昌さんと一緒に呉の町を歩いたことを思い出す。小実昌さんは、呉シネマの前の教会が呉での最初の住居で、三津田山の「呉アサ教会」へは、その後に移ったのである。戦後の町の区画整理で教会前の風景は一変して、その後呉シネマが建てられたから、小実昌さんは呉シネマと教会の今の風景の記憶が薄いのだと言われた。
大きな劇場で大きなスクリーンの呉シネマ。映画『卒業』のサイモン&ガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス』などの曲と共に映画の数々の場面が蘇る。そして暗闇の中でスクリーンを凝視していた自分を思い出すのだ。

○月○日
熊本市役所からの視察団が編集室に。本誌が連載している「ヘルシーグルメDietレストラン」の企画の逆取材を受けたのだ。
熊本市は、行政指導で「健康づくりできます店」という町ぐるみでの運動を進めている。熊本市の店のヘルシーメニューは、呉市よりもゆるめのカロリー、塩分量だが、「健康づくり」というターゲットを多様に展開させており、熊本市に見習うことが多いと感じた。
3月には九州新幹線が開通して、熊本、広島間が1時間50分と近くなる。熊本県は、農業や水産が豊かな地で、また商業も熊本市に集約された地産地消の先進県だ。今回、編集室への取材も熱心で、呉市の取り組みを見るにつけても、熊本市が羨ましいと思ったのである。
熊本と呉の繋がりといえば、海上自衛隊員。熊本をはじめ、南九州出身の隊員が多いことである。九州新幹線の開通前の観光営業は、熊本、鹿児島からの一方的な広島への営業が目立つが、ここは呉市も大和ミュージアム、海上自衛隊がらみの観光営業を仕掛けるチャンスだ。「健康づくり」の町というのも観光地に成りえる時代なのである。

○月○日
呉市出身の元プロ野球選手の西村龍次さんの講演会に顔を出す。西村さんは今から21年前にドラフト1位でヤクルトに入団。2年後には開幕投手でヤクルトリーグ優勝に貢献、3年後にはリーグV2、日本一になった。
西村さんはその後、近鉄、福岡ダイエーに移籍、2010年5回目の開幕投手として登板したのが最終試合という、劇的な10年間のプロ野球生活を送った人だ。
本誌でもヤクルト入団時の春にインタビューをしたことがある。阿賀中学校の校庭で、お父さんと一緒だった。
今回の講演会の中でも話に出たお父さんの存在、あの『巨人の星』のお父さんより恐かったそうだ(笑)。
西村さんは現在、テレビ朝日などの野球解説者として活躍している。また、NPO法人「ふくろうの森」を主宰して、現在の子どもの問題をスポーツで接することでコミュニケーションをとるボランティアを続けている。
この日の講演会の主催は実業三津田会。私は宮原高校出身者にもかかわらず、最後の校歌合唱にも参加した!?

○月○日
呉中央公園での呉水産まつりに参加した。かき祭りで食べれるかきといえば殻付きかき、かき飯、かきフライ、かき鍋、かき焼きうどんなど。毎週、呉地域のどこかでかき祭りが行なわれているのだが、どこも同じかきメニューばかりで、何か新しいメニューが欲しい、ということで本誌に出店の依頼が来たのである。
呉市がかき生産量日本一になったことで、かきの量が日本一ならかき料理の質も日本一に、ということで呉市内の料理人にかき料理を作って貰い、本誌で特集を組んできたからである。
前日の雨も上り、何とか天気が持ったせいか、人出は去年の倍、2万人以上の人出だった。くれえばんの出店のメニューは、スリースターの「オイスターミラネーズ」、ラ・スケルツォ・メッゾの「かきのフリッター」の2本立て。ラ・スケルツォ・メッゾの西野さんは自ずから駆けつけてくれた。そして、出店の前には行列が出来た!?嬉しい光景が広がり、私たちも参加したかいがあった。
ありがとうございました。