Archive for 7 月, 2011

2011年8月号

水曜日, 7 月 20th, 2011

○月○日
〝呉の街にテレビや映画の撮影が入っとる〟という情報が編集室に寄せられた。
 本誌でもお馴染みの作家こうの史代さんが、呉を舞台に描いた「この世界の片隅に」のテレビ化の撮影が呉で行なわれているのである。主人公の〝すず〟役には北川景子、その夫に小出恵介、他に優香、りょうなど若手の人気役者が出演する話題作である。
 もう一つの撮影隊は、東映の「山本五十六」である。山本五十六役は役所広司が演じている。江田島の海上自衛隊第一術科学校や、大崎下島の御手洗の古い町並みを使っての撮影が進んでいる。
 役所広司が町の「鳥平」にいた!?また、小出恵介が「シロクマ」で飲んでいた、という噂が編集室に集まったことだけは真実である!?
○月○日
 福島第一原発事故から4ヶ月が経つ。未だに事故終息のシナリオが描けないまま、巨大余震が起きないことを祈る日々が続いている。
 そんな中、自然エネルギーによる発電に注目が集まっている。日本は、風力、太陽光、バイオマス(木質燃料など)、小型水力、地熱による発電を合わせても1%しかない。ダムなどの大型水力が8%あり、合計しても9%と、日本は世界の潮流から大きく遅れている。
 その世界の潮流ではなく、日本を取り巻く海の〝潮流〟の件で、東京から編集室に訪ねて来られたのである。大手の造船会社の環境プラント事業の方々だった。
 潮流を使って、発電出来る場所を瀬戸内海で捜しているのだそう。急潮で有名な音戸の瀬戸に行ってきたという。そして今のままの音戸の瀬戸の潮流を使うとしたら3000世帯ぐらいの発電は可能だといわれた。しかし、それには船の航行を止めなくてはならないから、音戸の瀬戸潮流発電は不可能。しかし、街路灯ぐらいなら今すぐにでも可能なのだそう。来年の大河ドラマ「平清盛」の宣伝に、「潮流」発電の宣伝灯をつけたら話題になるかも、と思ったのである!?
○月○日
 今月号の特集「平清盛と音戸開削伝」のために、たくさんの歴史本を読んでいる。平安末期の時代は、「中世」と呼ばれている。平安時代と鎌倉時代の区切りはその時代が過ぎて、後から時代区分される。時代の名が変わったら、社会生活ががらっと変わるものではなく、庶民は淡々と暮らしていたわけだ。政権が変わって、右往左往するのは武士ばかりという時代の始まりが鎌倉時代からなのである。
 「中世」の時代のおもしろさを教わったのは、網野善彦の本からである。〝百姓はすべて農民にあらず〟という常識を覆す網野史学に引き込まれた。
 その網野史学を受け継いだ作家に今回出会った。作家の橋本治である。橋本「平家物語」を著したウラ本「双調平家物語ノート」のおもしろいこと。橋本治という作家は、やはりただ者ではなかった!?
 NHKの来年の大河ドラマ「平清盛」を受けての今回の特集なのだが、この大河ドラマのあらすじを読むと、これが今までの清盛像を覆す物語のようで、橋本「平家物語」に近いと感じたのである。清盛役の松山ケンイチはもちろんだが、トクな役として後白河天皇役の松田翔太、西行役の藤木直人、信西役の阿部サダヲが大注目される筈である。ここに予言をしておく(笑)。
 清盛の生きた時代は、自然災害が続き末法思想が社会に広まり、新しい宗教家が続出した時代でもあった。法然、親鸞、栄西、道元、日蓮など、もうキラ星のごとく輩出した時代だ。清盛の「武者の世」が始まり、えんえんと明治維新まで続いた武士政権。その歴史の始まりが清盛であり、日本の貿易の先駆者としても、大河ドラマ主人公的に見ても、織田信長、坂本龍馬と並ぶ魅力的な存在なのである。
 呉市もこの大河ドラマに合わせて、音戸の瀬戸開削伝の清盛をクローズアップして、観光に結びつけようと企画を練っているという。
○月○日
 宮原高校の同期会の世話人会に出席する。今まで宮原高校の同窓会、同期会には一度も参加したことのない私であるが、今回何故か世話人をすることになった。タウン誌の編集をしている身で、こういった会に参加しないこと自体、おかしなことなのだが、ついつい出席しないでいた。
 同級生に会うと、どういうわけか年寄り度を計るというか、外見のフケ加減が気になったりするのである。自分が若い頃、50代、60代の先輩を眺めていたイメージと、自分がそういう齢になった今との自分の内面外面のギャップって何だろう!?と思う。まだまだツッパリが抜けないでいる自分に、どうしてもっと自然体でおれないんだ!?と自分でツッコミを入れる。そして、そのツッパリが若さにつながるんだ、という自愛に満ちたボケをかますのだ。
 二、三日して、続いて和庄中学校の同級生たちと会い杯を交わした。そして、これもお決まりのスタンドバーでのカラオケ合戦になる。相手が上手いと、こちらも負けずに声を張り上げる。いつまで経っても同級生とは張り合うものらしい。