Archive for 11 月, 2011

2011年12月号

金曜日, 11 月 18th, 2011

○月○日
 本誌連載中の〝呉酒場礼賛〟の著者、浜田信郎さんと待ち合せ、呉酒まつりに参加している居酒屋へ。そこで、酒まつりの様子を浜田さんと話をしながら、リアルタイムでユーストリーム中継をネットに流す試みだ。
 浜田さんはブログ酒場礼賛で有名だが、最近はテレビ出演や雑誌に取り上げられることも多く、本業のサラリーマンと二足のワラジをはく忙しい人である。その浜田さんは、現在呉に単身赴任中、私とよく飲む仲間である。
 狭い居酒屋の隅に2人の席を作り、その前にビデオをセットした。中継をしてくれるのはアルゴの胡子さんだ。
 呉酒まつりは今回で4回目。居酒屋さんが呉の地酒と料理で客をもてなす店の祭りである。地酒の蔵元さんもトビキリの酒を持って居酒屋を訪ね、客との親睦を図るという趣向だ。 
 浜田さんは〝酒場浴〟というコトバで、〝飲み助はこうあるべし〟と話してくれる。銭湯に浸かるように、酒場も場をわきまえて素直に飲めば、湯上りの気持ちの良さと同じような感覚を酒場でも味わえるよね、という話で盛り上る。二人共酒のピッチが早い。蔵元さんも入れ代りでユーストリーム中継に出て貰う。
 ダラダラと飲みながら話す2人の姿が映りっぱなしだと想像すると、さすがに恥ずかしくなってくる。浜田さんの表情からも酔いが回っているのが分かる、ということは私も同様である。
 後で、ユーストリームを見るのが怖くなった(笑)。

○月○日
 同級生の野村俊行が亡くなったという連絡が入った。先日、呉医療センターのホスピス棟に見舞いに行ったばかりだった。友人と見舞った次の日に息を引きとった。既に家族だけで葬儀は済ませたという。
 10月にあった宮原高校の同期会に彼が東京から駆けつけてくれた。彼は昨年末にガンが見つかり、その時には既に手遅れの状態で、余命いくばくもないことを知らされていた。闘病生活に入った彼は、ホスピスに入るかどうか、色々迷っていたらしい。
 そんな時に宮原高校同期会のハガキが届いた。彼の妹の説得で、故郷への入院を決意して、同期会に合わせて帰って来たのである。
 そして同期会に出席した。私とは40年振りの再会だった。大きな目と毛深いところは高校の時と同じだが、やさしい目つきから、鋭い目に変わったカンジがした。色々長い時間の中でそうなったんだろうな、と想像したが、それは当たりまえのことなのである。いい年をして、しっかりとした目つきを持たない人なんていないよな、と自問自答する。
 死を迎えるために故郷に帰った彼は、少しでもホッとしたのだろうか—。

○月○日
 本誌は来年300号を迎える。来年は、くれえばんのケジメの年になりそうである。
 1984年にくれえ版を創刊して10号で休刊。そして、1987年から月刊くれえばんとして再出発して以来25年で月刊300号になるようである。
 まさか300号まで続くとは、私自身思ってもみなかった。その思ってもみなかったことが、目の前の現実として突きつけられている。これは何かケジメをつけなければならないだろうな、と思っている。
 とりあえず、バックナンバーを整理しながら考えることにした。ちょうど今、編集室の下の階に本棚を移して私の仕事部屋にしようとしていたところだ。本の整理とバックナンバーの整理は実は願ったりかなったりで、私自身大変楽しい時間を過ごしている。
 本棚に並べる本のレイアウトこそ、編集作業なのである。こんなにこの作家さんの本を買ってたのか!?と自分の意外さを知らされたり、同じ本を2冊も買ってたり、本を眺めながら様々な思いが駆けめぐるのである。
 引っ越しが多かったせいか、私の大好きな本たちはバラバラに積まれたままだったりして、一堂に会したことがなかった。
 やっと〝私の本棚〟が出来上がりそうだ。来年は、この本棚が何かの起爆剤になってくれるかなぁ—。