Archive for 2 月, 2012

2012年3月号

木曜日, 2 月 23rd, 2012

◯月◯日
 本誌の表紙絵を描いて頂いてる谷川晃一さんから連絡が入る。今年の3月31日から3ヶ月間、伊東市の池田20世紀美術館で"宮迫千鶴展"が開催されるとのこと。その展覧会で、本誌が発行した"宮迫千鶴の小さな楽園の作り方"の本を販売しないかということだった。
 宮迫さんには’95年の100号から’08年の258号まで本誌の表紙の絵を描いて頂いた。その宮迫さんが’08年に突然リンパ腫を発症して、あっという間の6月19日に亡くなった。
 宮迫さんの夫である谷川さんと、呉市美術館での宮迫千鶴展開催を企画したことがある。宮迫さんの故郷である呉市で始める回顧展をしたかったのである。
 瀬戸内海の海辺に小さなコテージを作りたいな、と話していた宮迫さんのコトバを思い起こしている。
 亡くなって、もうすぐ4年が来るのかー。

◯月◯日
 中通りの居酒屋で飲んでいた。すると、店の前の通りが何だか騒々しい。出てみると、パトカーが何台か停まり、その周りには人だかりが出来ていた。集まったヤジウマの"何があったんだろう"という好奇心をパトカーの上の点滅器があおるいつもの風景だ。
 なんと、その日が開店のスナックバーでの無銭飲食事件という。熱燗7本、缶ビール1個、二階堂の焼酎1本をキープした代金14500円なり。逮捕されたのは、30代の男らしく、警官が"またお前かー"と怒鳴っていたらしい。噂によると、9回目の無銭飲食だそうで、毎回その男の姉がいつも駆けつけ支払いを済ましていくというー!?

◯月◯日
 ニューヨーク在住の川本達也さんと待ち合せて、居酒屋へ。川本さんと会うのは一年半振り位だろうか。私が依頼していたエッセイが出来始めたとのこと。
 川本さんは渡米して26年、ニューヨークの飲食業界で生き抜いて、現在は居酒屋を2軒、ラーメンチェーンのGMを務めている。7・8年前になるだろうか、私がニューヨークに行った時に、呉出身者で、"日本レストラン"で成功を納めている経営者として取材した人だ。
 川本さんは"物語"のある人で、会う度に彼自身の話を聞くのだが、ニューヨークでの様々な出会いのエピソードに興味が尽きない。来月号から何回か川本さんのエッセイを掲載するが、楽しみである。
 ニューヨークヤンキースに、元広島カープの黒田投手が入団した。そんな日本人大リーガーの裏情報も盛り込むエッセイになるそうで、乞うご期待!?

◯月◯日
 NHKテレビの夕方の番組で、呉市が  "減塩"で健康を保つ取り組みを町ぐるみでしている先進都市!?と紹介された。
 本誌で4年にわたり連載している"ヘルシーグルメランチ"のつながりである。番組には、発起人の日下美穂さんを始め、町の料理人も登場して、"減塩先進都市 呉"の取り組みを大宣伝してくれていた。
 5月26・27日の呉での第一回"減塩サミット"に向けて、真の町ぐるみの展開に持っていくように、テレビ番組にハッパをかけられた気がしている。

◯月◯日
 呉の中央公園での水産まつりに顔を出す。1月末から2月の下旬まで、呉地域の各漁協主催のカキ祭りが続くのだが、その中心の祭りが呉水産まつりである。
 この日は天候にも恵まれ、祭りにふさわしい人出で中央公園は年に一度の"ハレ"の日になった。昨年は、くれえばんスタッフがテントブースを借りてカキ料理を振るまい好評だった。
 しかし、今年もやりませんか、という誘いがなかったのは、好評だったと思い込んだ私たちの勘違いだったようである!?
 今年もたくさんのカキ料理を頂いた。中でもトウガラシの効いたカキ汁が旨かった。また、倉橋町のデベラとデンチョウの干物、豊浜町のタチウオの一夜干しを七輪で炙りながらの日本酒はサイコーでありました。

◯月◯日
 今号で本誌は発行300号を迎える。300ヶ月も同じようなことをやってきたと思うと、何というか複雑な思いがするのである。"祝300号"と素直に喜べないのだ。
 300号に合わせたわけではないのだが、編集室のある建物の2階のスペースで"ブックカフェ"をすることになった。東京から呉に戻って30年間に読んだ本を再編集して一面の本棚に並べた。その本棚を眺めていると、その時々に出合い、本を購入した自分が見え隠れして、何というか、もう一度自分を見直すというか、引き締めてもらっている気がするのだ。
 月刊くれえばんの299冊のバックナンバーを展示するために整理をしながら目を通していると、その当時の町の様子が蘇り様々な想いが駆けめぐる。そして、私にとって、バックナンバーは過去のモノではなく、ずうっと続いていることに気づかされる。
 バックナンバーを見直しながら、素直にこれでよかったと思えない私も、本棚に並ぶ本の背表紙を見ていると、不思議に心が和むのである。読んだ本と自分とのつながりが出来ていれば幸せに思えるのだろう。
 私にとって"幸せな本棚"が出現したことが、300号と同時になったことを素直に喜びたい。