Archive for 11 月, 2013

2013年12月号

火曜日, 11 月 26th, 2013

◯月◯日
編集室に祭ばやしが聞こえてきた。今日は呉の小祭の夜ごろの日だ。遠くから聞こえてくるのは両城の鯛ノ宮神社の祭ばやしだろう。
明日の小祭は、大歳神社、鯛ノ宮神社、竜王神社、伏原神社、平原神社、高日神社など、旧呉市内の三方の山麓にある神社で行われる。
呉の大祭は亀山神社であるが、小祭は各自治体で行うので、昔から住民と神社の結びつきは強く、各々特色のある祭を伝承している。
夜ごろのこの日、中央商店街に各地区の神社のヤブが笛・太鼓と共に下りて来て、町を練り歩くのである。竜王、伏原、高日神社のヤブは分かったのだが、判然としないヤブもいた。いずれもヤブが主役で、中通りにいた若い人たちにも珍しくウケていた。
これらのヤブは、中央地区の商店に門付けに下りて来ているのだが、そのついでにレンガ通りでパフォーマンスを少々やっているのである。そのパフォーマンスを若者が追っかけていた??
そこで思ったのだが、いっそのこと、この小祭夜ごろに出てくる各神社のヤブと太鼓を一つの流れのパフォーマンスとして、新しいイベントに仕立てたら、と思ったのである。
これまた偶然なのだが、この日にテレビの全国ネットの1時間番組で、吉浦のカニ祭が紹介されていた。吉浦東町の山車の上で太鼓をたたく小学生たちと、町あげて祭の準備をする町人が主役だった。
吉浦のこの祭は、私も行ったことがあるが、神社の急階段での上り下りが圧巻で、吉浦各町の山車が競い合うのである。放送では、連綿と続く町祭の伝統を守る人たち、年寄りから若者、子どもまで、なんとも魅力的に映っていた。祭は男前を上げるのである。
吉浦カニ祭は、日本の魅力的な祭の一つとして全国に発信されたわけで、吉浦町は大いに自信を持つべきである。放送では、日本の祭の魅力をもっとクローズアップさせて、日本の文化の柱として自信を持たないといけない。と主張していた。そのとおりである。
呉市は、日本有数の高齢化の町といわれて、町の勢いとしてはマイナスのイメージが強いが、見方を変えれば、お年寄りが祭の伝承を担い、若い世代に伝えていってるからこそ、元気な呉の祭が連綿と続いていることを誇りたい。呉の宝は実は祭だ、と思ったのである。

◯月◯日
小沢昭一さんの一周忌がくる。一年前の葬儀には芸能座時代の弟子たちも駆けつけ、当然のごとく葬儀を手伝った。
その時つくづく思ったのである。芸能座は’70年代末で解散して、その後30年以上時が過ぎていることである。小沢さんは解散以後、一人芝居のしゃぼん玉座を立ち上げて舞台を続けるのだが、徐々に文筆業の比重を増していく。そして、〝芸能〟を超えて〝昭和を物語る人〟としてますます時代の中で存在が大きくなっていった。弟子と称している私など、実は小沢さんの背中も見えない存在になっていることを知らされたのである。
小沢さんともう一度対峙しないといけない。そうしないと、いい加減な弟子で終ってしまうと思った。それから、手元にある小沢さんの本を読み直すことを続けている。
くれえばんブックカフェの本棚に並ぶ小沢さんの本は30冊弱。社会学や民俗学者、そして文学者の対談本も多く並んでいるが、小沢さんの対談本は、他の対談本と一線を画す、小沢流座談、話芸と呼びたいほどなのである。対談者の〝クロウト〟としてのコトバを語らせるまさに名人!?
〝小沢学〟といわれるほど、独自の足跡を残した小沢さん。その一周忌に合わせて、〝小沢学・事始め〟と題して小沢さんのコトバを掲載した。中途半端な事始めになったが、これからも小沢学続けたい。

◯月◯日
呉市長選が終わった。現市長の3選出馬が遅くなり、また新人候補の出馬も選挙戦前月と、とにかく近来稀に見る短い選挙戦になった。
当日有権者数は19万6370人。選挙率は42・12%で、前回の46・91%を下回った。
〝大山鳴動して鼠一匹〟
中央公園の林がなくなり、新庁舎が建つ。そして、呉駅前のそごう跡地問題はいまだ新出企業も決まっていない。
市政に対して市民が納得して現市政に賛成しているのだから、これはもう仕方ないことである。
本誌でもいろいろとモノ申してきたが、やはり〝糠に釘〟だったようである。