Archive for 7 月, 2014

2014年8月号

水曜日, 7 月 23rd, 2014

○月○日
TSS(フジ系列)の月曜9時放送の連続ドラマ〝極悪がんぼ〟が終わった。このドラマは、本誌の〝カバチタレ相談〟でもお馴染みの田島隆さんと東風孝広さんコンビの同名コミックが原作である。
田島さん原作のテレビ化はこれで4作目だ。そして、画面で飛びかう呉弁、広島弁の濃さは〝極悪がんぼ〟が特出していたのだが、いかがでしたか!?
ドラマは、お金に追われる人たちと、その金を絞り取る人たちの修羅場がポンポンと展開していく。そして、〝裏社会〟の仕事師たちの実際を描く中で、政治家、銀行、警察など拝金主義にまみれた表社会の人たちも登場してくる。この社会は〝裏と表〟があり、それが密接に絡まりつながっているのである。そこに、〝法律は武器〟とするドラマの主人公たちの活躍があり、権力を持つ者に一泡吹かせる。そこが見る者に溜飲を下げさせるのである。
また、このドラマの魅力は出演者たち、俳優にもあった。茶髪に染め、ド派手ファッションで演じる三浦友和の〝やる気〟が伝わってくる。広島弁の濃い演技で主役の尾野真千子を喰いまくっていた!?そしてもう一つ、毎回出演した個性豊かな俳優陣がドラマを盛り上げたのだ。小泉今日子、武田鉄矢、片岡鶴太郎など錚々たるメンバーだった。
映画「仁義なき戦い」シリーズ以来といわれる濃い広島弁が飛びかうドラマだったが、これが意外に地元広島地域で話題にならなかったのが残念だ。第2シリーズが続くといわれているが、そのときはフジテレビ、地元局はもっと力を入れて広報して頂きたい、と勝手に思っているのだ。

○月○日
NHK広島放送局に行く。今年の〝ヒロシマ8・6ドラマ「かたりべさん」〟の試写会があったからだ。ヒロシマの被爆ドラマは、すでに長い歴史を刻んできている。
地方局の広島から全国に発信するドラマとしては、やはり〝ヒロシマ8・6モノ〟がダントツなのである。〝ヒロシマ忘れまじ〟ドラマやドキュメンタリーが毎年作られ続けている。
「かたりべさん」とは、被爆者が自らの体験をボランティアで証言する人のことだ。その「かたりべさん」たちが高齢化で、語り継ぐ伝承者たちに赤信号がともってきている。そのヒロシマの現実を、〝そのまま色をつけずに伝えたい〟と作・演出したのが大橋守ディレクターだ。
〝ヒロシマ8・6ドラマ〟を長年見てきた一地元民として、「かたりべさん」は素直に心に響いたのである。そして、ドラマの「かたりべさん」役の中村嘉葎雄さんの存在感に目を奪われたのだ。役者の力というか、血筋というか、演じる人の素材が見えてくるようで感心してしまうのである。
そしてもう一つ、音楽がいい。ハンマーダルシマという中東地域の古楽器の音が、ドラマのテンポを作り、時の過ぎゆく重さや軽さが伝わってくる。〝ヒロシマ8・6ドラマ「かたりべさん」〟を新鮮に見終えた。
この作品を演出した大橋さんの新作が、実は呉が舞台のドラマなのである。それも、なんとタウン誌の編集者が主役だという!?
題名は「戦艦大和のカレイライス」。撮影は8月中旬から呉で始まる。我が編集部もそのままドラマの中に登場するらしい!?
詳しくは来月号で。

○月○日
地元メディアがもっと伝えなくてはならないことが、先日政府が閣議決定した〝集団的自衛権〟行使のことである。
とくに呉市は、明治、大正、昭和と〝海軍さん〟と共に歩いてきた歴史がある。その間、呉は日清戦争、日露戦争、そして太平洋戦争と、国を代表する海軍基地の役割を果たしてきた。その間、海軍さんの兵隊と工廠の職工さんは、呉の町の主役だった。
そして終戦、呉市は軍港都市の歴史を閉じる。戦後の呉市の歩みは「脱軍港」、「平和産業港湾都市」を目指してきた。その中で、海上自衛隊が組織され、また、呉は自衛隊さんと共に暮らす町になって、今年で60年がたつ。
今回の集団的自衛権行使の容認で、日本は宣戦布告する国になり、攻撃される国にもなる。そして、呉基地の自衛隊さんが真っ先に戦地に赴くことになるのである。
自衛隊の幹部の人と話をしたことがあった。
〝「専守防衛」のきまりがしみついた自衛官に、今実戦対応が出来るか、といえば出来ないだろう。〟
〝さぁ自衛隊、集団的自衛権を行使せよ、お国のためだと言われても、我々は命令には従うのだけど、どうも政治家や外務官僚をもう一つ信頼出来ない、防衛省の仕組も今のままでは…〟という意見が殆どだった。
また、昨年から自衛隊員の給料が減額されていて、〝私らの上の上の人たちが騒いでるカンジです。給料は下がるし、危険なところに行かされそうになる〟と不安顔の隊員さんばかりだ。
呉は、百年以上兵隊さん、自衛隊さんと共に暮らす町である。呉市の行政、市会議員や経済人は、お国の言うとおりばかりでなく、自衛隊員側に立った意見も吸い上げておくべきである。
呉の歴史はそのまま〝日本の昭和史〟といわれている。その歴史見識を持つ自治体として、戦争の現場に間違っても行かない政治家や官僚に意見を言うべきだと思うが、言えないのだろうなぁ。