Archive for 10 月, 2014

2014年11月号

水曜日, 10 月 22nd, 2014

○月○日
〝このままでは896の市町村が消滅しかねないー。減少を続ける若年女性人口の予測から導き出された衝撃のデータである。若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都会では高齢者が激増してゆく。豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子どもを持てる社会へ変わるための戦略を考える〟
これは、「地方消滅(中公新書)」の著者、増田寛也氏のコトバである。
日本は2008年をピークに人口減少に転じ、これから本格的な人口減少社会に突入していく。このまま何も手を打たなければ、2010年に1億2806万人であった日本の総人口は2050年には9708万人となり、今世紀末の2100年には4959万人と、わずか100年足らずで現在の約40%、明治時代の水準まで急減すると推計されている(いずれも国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口[平成24年1月]の中位推計」による)。
この「増田レポート・消滅可能性とし896のリスト」は今年の5月に発表されて、全国で大きな反響を呼んだ。レポートでは、生まれる子どもの95%が「20〜39歳の女性の出産による」として、20〜39歳という「若年女性人口」の減少が、人口減少の元になる豊富なデータを提示している。
本の巻末には、全国市区町村別の将来推計人口が掲載されている。若年女性(20〜39歳)人口の減少率(2010〜40年)が5割を超える(推計)896自治体が「消滅可能性都市」に当たるという。
早速、広島県の頁、呉市のデータを捜す。データ表は人口減少率が高い順で並び、16番目に呉市があった。
若年女性人口変化率 マイナス48・2%
2040年若年女性 12794人
2040年総人口 151551人
2010年若年女性人口 24678人
2010年総人口 239973人
これが呉のデータである。
このままでは、30年で若年女性人口が48・2%、20歳から39歳の女性が呉市で半減するというのだ!?となると、単純に出生率も半減し、人口急減に拍車がかかる状況が続くことになる。
ところで、30年という社会時間を長いか短いか、どう把握するかである!?
私にとって30年という時間を実感できるのは、本誌を創刊して今がちょうど30年だからである。30年間に発行したバックナンバーをのぞくと、読み進むうちに、どんどん当時の町の様子が蘇ってくる。バックナンバーが、〝街のテキスト〟代わりになって、町の歴史を刻んでいることを実感出来るのである。
毎年、2月号は新成人の特集を続けてきた。まだ文化ホールがない時、市民会館が成人式の会場だった頃からである。第2次ベビーブーム(1971〜74年)生まれが成人を迎えた1990年代を過ぎると、年々目に見えるように新成人が減少していった。晴れやかな新成人の姿が街の風景の中でまばらに見えるのは淋しいことだった。そして、近年の成人式の地域バラバラ開催に到っては、新成人減少の流れさえも目に出来ないことになってしまっている。
人口減少社会で一番大事にされるべき若年女性、中でも新成人の町での存在は、地方都市にとって町のヒロイン(言い過ぎか)として、シナリオに登場させなければいけないのである。だから、成人の日は以前のように文化ホール開催の市全体の成人式を復活させて、にぎやかな町の成人式を演出した方がいい。新成人にとって同世代がこんなにいることを印象づけることである。そうしないと、町での出会いのなさに愛想をつかされ、若年女性の流出に拍車をかけるかもしれない!?
話は少しそれたが、30年という町の社会時間は、私は把握できているのである。30年という時間は編集の定点をつかまえていると意外と長くないと感じている。
呉市は15万人以上の都市の中で高齢化率が日本一と言われているが、そのことで自分達の町の暮らしにどのような影響を与えるかについては、危機感を募らせることも、認識が共有されることもなかった。呉市の人口減少も、市町合併で人口が増えたことで、本質から目を逸らせてきただけである。
今すぐ人口減を緩やかにするために地域の政治、行政、経済界が一丸となって戦略を練るべきと、この「地方消滅」のデータを見て思ったのである。また、同時に「減少」をデメリットからメリットに切り替える発想も持つべきでもある。
もうここまで来ているという共通認識を持つためにも「地方消滅」の本を読むオススメです。
ちなみに、呉の隣り組の江田島市、竹原市のデータは、広島県で人口減少率3・4位のデータで、オソロシイことになっている。
江田島市
若年女性人口変化率 マイナス68・2%
2040年若年人口 662人
2040年総人口 12078人
2010年若年女性人口 2078人
2010年総人口 27031人
竹原市
若年女性人口変化率 マイナス64・4%
2040年若年人口 900人
2040年総人口 15680人
2010年若年女性人口 2530人
2010年総人口 28644人ー。