2009年7月号

◯月◯日
〝百年に一度の危機だから―〟と言い募る政治家は信じられない。以前にも書いたが、〝百年に一度の危機〟とは〝百年に一度の不況〟のことである。要するに、金の話、バーチャルな金の話なのである。尊敬する養老孟司先生も言われている〝百年に一度―〟とは太平洋戦争に負けた頃の事態、いまだかつて起こったことがない、という未曾有の事態のことである。あの頃に比べたら、今の不況など〝百年に一度の危機〟とは言えないと―。
お上も、政治家もマスコミも、すべてが〝百年に一度の―〟病になっている!?おエライさん達に、各々奢りが見えるのだ。私たちはこの状況を分かっているが、庶民のあなた方は先が見えないはずだ。しかるに、私達が導いてやるという図式が見えるのだ。
〝百年に一度の―〟を連呼する人達をよーく見ておいて頂きたい。彼らの言う〝百年に一度の―〟が正しければ、既に地方の街の企業は、半分以上は潰れかけているはずなのである。
〝この紋所が目に入らぬか!〟の黄門さまのお成りではないが、〝百年に一度の―〟を、〝ひかえ、ひかえおろう―〟と言われても、私達は、呆然としながらも〝ひかえ〟られないのである。
◯月◯日
昨年に続いて、今年もセ・パ交流戦で福岡のホークス球場に駆けつける。広島カープ対ダイエーホークス戦である。
今回も、相棒のKさんの後をついていくだけで、この旅はすこぶるラクなのである。球団関係者の記章を貰って試合前の練習をしているグラウンドに入る。一塁側のベンチ中央には、なんと元南海ホークスの藤原満さんが腰を下ろしている。現在もKBCのプロ野球解説者として活躍中である。大の南海ホークス通のKさんは、旧知のごとく藤原さんと挨拶を交わして、ベンチで呉での南海キャンプがあった頃の昔話に花をさかせている。〝そういえば、呉のスタンドシロクマには、杉浦さんについてよう通った。二河球場で練習する時間より、シロクマにおった時間の方が長かったかも知れん〟(笑)と藤原さん。
試合は、昨年同様ホークスの勝利。〝カープは何でこがーに打てんのじゃろ〟と二人で吠えていると、前の席の若いカップルも私達を振り返り〝ほんまにねぇー〟と同調してくれる。聞くと、福岡在住のカープファンだった。
試合が終わり、夕方までホークスタウン内の健康ランドでひとっ風呂浴びる。これも恒例のコースである。
さて、街に繰り出す。一軒目は、天神の〝蕃〟という牛舌料理の店。そこで加藤伸一さんと待ち合わせである。ホークス、カープで活躍した投手で、現在はRKB毎日放送の野球解説者だ。Kさんのお友達なのだ。蕃の店主は、南海ホークスの大ファンだったことで、昔話がこれまた盛り上がったのである。
二軒目は、、今回の旅の目的である元プロ野球選手の西村龍次さんに会う店である。〝カウント〟というイタリアンレストランで、西村さんが経営している。西村さんは、呉市阿賀町出身で、ヤクルトにドラフト一位指名されて入団、投手として活躍、最後の球団はダイエーだった。その縁で福岡に住み、野球解説者をしながら、レストランも経営と、忙しい日々を送っている。
西村さんには、ヤクルト入団の時に本誌でも取材したことがある。確か阿賀中学校の校庭だった。
四人で酒席を囲む中で、野球選手として、西村さんと加藤さんには共通した貌が多々あるのに気づいたのだ。二人とも投手としてセ・パ球団を渡り歩いた苦労人で、しぶとい粘りの投球が持ち味。二人とも野球解説者として球界に残れたのは、やはり野球人として大人であり、かつ人に愛されるものを持っていたのだろう。二人とも顔もいいが、心もいい。そしていい酒飲みである。
◯月◯日
広島で、〝全国新酒鑑評会〟の前夜祭に参加する。明日、金賞酒が決定されるそうで、呉からも〝雨後の月〟〝宝剣〟〝華鳩〟〝白鴻〟が出店していた。出店というのは、会場の中で、蔵元から大吟醸をはじめ純米酒などを振る舞うブースのことである。客は、各々好きな酒を目ざしてグラスに酒を満たして貰うのである。
五百名を超す日本酒ファンは、右往左往しながら、グラスを重ねるから、やはりついつい飲み過ぎ、水をガブガブ飲みながらの酒比べになる。
この秋(10月23・24日)、第二回目の呉酒まつりを開催するのだが、大いに参考になる会で、この様な会を呉でもやりたいと思ったのである。

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