2015年11月号

◯月◯日

広島カープが最終戦で惨敗、クライマックスシリーズの出場はならなかった。この日の広島地区のテレビ視聴率は44・5%、プロ野球中継では過去最高を記録したという。
超満員のマツダスタジアムに駆けつけたファンの落胆たるや、察するに余りある試合だった。今年のカープを象徴する戦いだったからである。先発投手は5分以上投げるのだが、打撃陣が点を取れない。僅差のゲームになると、救援投手がコケてしまう。だから、いつまで経っても勝率が5割に届かない。ペナントレースで一度も首位に立てなかったのはカープだけだった。
今年のマツダスタジアムの入場者数は過去最高の211万人を数えた。一試合平均の入場者は2万人をゆうに越えていたのである。球場の客席を3万人にしておけばよかったと、今地団駄踏んでいるのは当の球団だろう。
それにしても今年のマツダスタジアムのチケットは取りにくかった。だから、今年は一度も球場へは行けていない。それでも、今日のカープはどうなっとるんかいのー、とテレビをつけるが中継をしていない。あれだけ〝カープ優勝〟と騒いでいた地元テレビ局が放送しない。いい視聴率が取れるのにどの局もやらないのである。
どうも、みなチグハグなのである。
そのチグハグの最たることが、緒方監督の采配だ、と酒飲み仲間とのカープ話で盛り下がる!?いや盛り上がったのだ。前日の試合で活躍した選手を使わない。データを重視して、登板投手との相性が悪いからだという。調子に乗りかけているのに出るハナを摘んでいる。野村前監督の失敗を継いでいるのだ。スコアボードの名前を見てもワクワク感が湧かないのである。
〝ほらのー、言わんこっちゃない、マツヤマを出しとけゃあええんよ〟
〝何で左投手には決まって右打者なんかのお。いつもワンパターンばっかしじゃ〟
と、頭のカタイ采配を振う監督やコーチを嘆くのである。
それに比べて、今年のヤクルトはどうだ!?という話になる。昨年の最下位から優勝という離れ技をやってのけた監督とコーチの態度は、敵ながらアッパレで、何か伸び伸びとして自由さを感じたのである。大主砲のバレンティンを欠きながら、すさまじい打撃陣を育てたチーム力には頭が下がるのである。また、トリプルスリーを達成した山田選手は、久々に球場で間近に見てみたいと思わせる選手である。一人の選手で客が呼べること、これは彼が日本プロ野球の宝になったということである。
そう、カープにもその宝がいることを忘れてはならない。黒田投手である。今年の観客動員の凄さは、黒田効果そのものだった。黒田が投げる試合は必死で勝ちにいかないといけないのに、打てない。落胆のため息が出る試合が多かった。
テレビに映るカープベンチの首脳陣の姿も、何かエラソーな感じがしたものである。そう、あのサングラスズラリの絵がそう感じさせるのだ。試合が劣勢なのに、なに気どっとるんな、という感じである。野村前監督のしょぼしょぼと飲料水を取る姿に、何か細かそうで、〝器〟がなさそーに見えたことを思い出した。そのことを酒仲間と話していたら、その〝しょぼしょぼ飲み〟は、実は噛みタバコのツバを出している風景だったことを教えられた。テレビは、監督の一挙一動がファンの視線にさらされていることを自覚すべきである。いや、その前にチームのナインの目が監督たちを見据えている筈なのである。
今年のカープは優勝だ、と騒ぎ立てた地元マスコミの方々、どうか反省して頂きたい。どこまで盛り上げたら気が済むんだというマスコミの仕掛けには、ちょっと異常なのめり方に見えたものである。
どうして優勝できなかったのか、クライマックスシリーズにも出れなかったのか、マスコミ各社は反省して、検証しなければ、また同じ轍を踏むことになるのである。
セリーグ順位4位という結果の責任は?と聞かれた緒方監督は、来年度の采配の糧にしますと答えた。責任を取ることには答えていないのだ。
今年のカープの話をすればする程、カープのリーダーと日本の政治家のコトバが重なって聞こえてくるのである。コトバで本論をはぐらかす。責任をあいまいにする。これを糧にこれからはガンバル。
要するに責任をとる覚悟がないのである。
カープ人気はいつまでも続くわけではないことを球団もマスコミもよく分かっている筈である。
私たちが考えないといけないのは、先を読むこと、目先ではつまらない。

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