2016年9月号

○月○日
月刊くれえばんは今号で354号になった。月刊になる前に季刊で10号を出版している。創刊は84年、月刊で再スタートしたのは88年4月号からである。
創刊時、〝呉は文化が育たない町〟とよく先輩諸士から言われたものである。〝よく持って3年じゃ〟と高を括られたりもした。
しかし、出版を続けて10年過ぎた頃から、〝継続は力なり〟の言葉が少しずつ本誌にも効いてきたのを感じた。
それからまた20年、町と共に時を紡ぐ編集を毎月誌面化してきた。バックナンバーの頁をめくる度、その時代のことが一つ一つ蘇ってくる。私にとって、これらのバックナンバーは、まさに宝物だと、思うようになった。編集し、出版したものは過去のもので、殆ど読み返したりしなかった。また、自分が書いた浅くつたない文章に出合うことも嫌だった。出版の恐さはそこにある。出版物は半永久に残るからである。
しかし、編集がうまく出来なかった号も含めて、愛着が湧いてきて、バックナンバー総てが宝物のように思い始めたのは最近である。
くれえばんは次号から現在の版型をB5版からB6版に変えることにしました。頁数は同じで、全頁カラーになります。型が小さくなるが、情報量は殆ど変らないように編集を工夫しています。
コンテンツはより〝食〟に比重をおき、人を介した町の歴史、文化を伝え続けたいと思っています。
30年タウン誌を編集してきて、確信したことがあります。それは〝贈り物〟のことです。
私たちは絶えず見知らぬ先人から贈り物を受け取り、自分の活動を通じて、見知らぬ後世の人々のために贈り物を用意しています。
私たちが享受している平和も、豊かな自然環境も、社会的なセキュリティも、医療や教育や司法のような制度も、先人からの贈り物です。
私たちは、それらの社会的な資源をできるだけいい状態で、できるだけ使い勝手のいいものにして、次世代に引き継ぎたいものです。
私たちは共同体の中でこの〝贈り物〟を認識して、暮らしてさえいれば、どんな時代でも生きのびる確率が高いと確信しています。
この〝贈り物〟論は、文筆家の内田樹さん達の自論です。私も全く同じ考えを持っています。次号からのくれえばんは、より地域の共同体の中で、その様々な〝贈り物〟を誌上にあぶり出して、編集していけたらと思っています。
○月○日
次号の巻頭企画は〝カープ優勝を呉の町で祝杯!!〟である。8月12日現在、カープと巨人の差は5.5ゲーム差。8月の初めは10ゲームの差をつけていたのだが、あっという間の追い上げである。ペナントレースは、カープと巨人に絞られたようだ。
それにしてもカープ人気は異常で、地元マツダスタジアムは連日超満員。また、テレビに映る他球場の観客席も半分以上、赤いユニフォームで埋めている。マスコミもファンも、このまま優勝に向かって突っ走っている!?
本誌も新しい型のくれえばんのスタートにふさわしい企画を考えたのである。広島の町の〝カープ優勝〟への盛り上がりに乗り遅れないように呉もカープ応援を表に出したい。
カープ優勝!となれば、呉の町に出て、〝よっしゃーやったぁー、カープ万歳〟と多くのファンと祝杯を上げたい。乾杯のハシゴをしてみたい。
そこで、呉の町の飲食店で〝カープ優勝、みんなでカンパーイ〟のサービスをやるぞ、という店を本誌で掲載したいのである。
〝どうかいの、カープが25年振りに優勝しそうなで〜〟の期間が長ければ長いほど、ファンは幸福な時間を過ごしていることになるのだが、何はともあれ、カープもファンも乞うご期待である。

コメントをどうぞ