2016年12月号

○月○日
広島カープの長いお祭りは、やっと終った。日本シリーズで日本一を逃した〝物語〟を抱えながら、カープ優勝パレードが行われ、31万人もの人が集まり、祝った。また、数字でスゴイのはカープ優勝の経済効果が、300億円を越えるといわれていることだ。
それにしても今年のカープは、私たちファンに本当に多くの感動を与えてくれた。黒田投手の200勝、新井選手の2000本安打達成、そして8月から優勝に至るまでの快進撃はスゴかった。そして、CSシリーズ、日本シリーズ、最後が黒田投手の引退発表―。
思い返すと物語は2年前、黒田博樹投手の大リーグから〝おとこ気〟でカープに帰ってきたことから始まったのである。そして同じように新井貴浩選手も出戻りで帰ってきた。2人とも〝お金だけじゃない〟という生き方を通そうとする姿に、ファンは反応しないわけがなかった。2人の野球姿勢にカープナインもまた反応して、様々な物語が雪ダルマのように大きくなっていたのである。
そんな中、地元マスコミは異常といえるカープ応援を繰り広げた。それを受けたファンの熱狂振りは〝赤い社会現象〟といわれる盛り上がりを見せたのだ。
ところが、カープ協奏曲を奏でていた広島地区で、ポカッと穴があいたように人出がなくなったのが呉の商店街である。昼は〝カープ優勝セール〟で広島市の商業施設にとられ、夜はテレビ観戦で皆帰宅。カープのテレビ放送の視聴率は50%を越えたという。これも、県庁所在地でありマスコミ在住の広島市と呉市の大変な格差が見えるのだ。カープ優勝!と騒いでいた呉の町は、一瞬にして閑古鳥が鳴き、静かな町に戻ってしまった。
あまりこんなことは言いたくはないが、先日の優勝パレードのマスコミの〝カープ狂奏曲〟を眺めるにつけ、広島市はええのぉ、と思ったのである。
○月○日
〝こないだ黒田投手のグローブ見せてもらったで〟と自慢顔で携帯の画面を見せる客。
〝カープ大野寮の寮長だった吉田さん宅での。いっぱいカープの宝物があったねぇ〜〟〝どこで見たん?〟〝内神町よの〟〝何それ、呉じゃないか〟〝いや、吉田さんは寮長を退職して、いま呉に戻っておられる〟周りの客が〝へぇー〟と言いながら黒田のグローブの画面をのぞいている。
そんなとき、
〝市立呉が甲子園に出るそうなでー〟〝何、今日の準決勝で勝ったんか?〟〝おお、6対3じゃと〟〝そりゃ、大ごとじゃの〟〝ほんまかいのぉ?〟と店内はひと騒ぎである。
市立呉がまさかの春の選抜大会の切符をほぼ確実にしたのである。
昨年の夏の広島大会で決勝に進んだ市立呉の実力は本物だったということだ。いやはや驚いた、というのが呉市民の感想だろう。出場となると、呉では54年振り、呉港以来だそうだ。
そういえば、先日のプロ野球ドラフト会議で、呉出身の堀瑞輝投手(新庄高)と畠世周投手(近畿大)の2人がそれぞれ日本ハム1位、巨人2位指名されていた。
カープ優勝から始まり、呉から2人のプロ野球選手誕生、春の高校野球に市立呉が出場!?と、当分の間、呉の町は〝野球の話〟が続きそうである。
○月○日
本誌がB6版に小さくなって3号目になる。色々と意見を頂いている。30年に渡りタウン誌の編集を続けてきて、変わらなければと思っていたことが、30年経って確信に変わり、今回の様式にたどりついた。
インターネットの定着で時代が変わり、メディア情報の流れが一変してしまった。印刷メディアである月刊のタウン誌は、町の情報をヨコ並びで紹介するだけでは、時代に追いつかなくなったのである。情報がじっとしてしまい、動かないのである。タウン誌と同じように町を編集することをもう一度考え直してみた。
「いじりみよ」とは〝位置・状況・理由・見方・予測〟の頭文字である。タウン誌の情報はこれにならいたい。タウン誌からネットに乗り換え、その情報はネットの波に乗り、着換えをしてまた印刷メディアに様変りして現れる。そんな編集がタウン誌の役割だと思ったのである。それで、持ち歩きの出来るB6版にさせてもらいました。
情報を〝わかる〟が〝かわる〟。〝かわる〟が〝わかる〟を目指します。
どうぞ、もう少し見守って応援して頂けたらありがたいです。

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